今回は私の故郷である和歌山のお話です。
那智(なち)の滝をご覧になったことはあるでしょうか?滝自体もそうですが、周囲の景観も美しく、本当にすばらしい場所です。個人的には那智にたどり着くまでのドライブも、海岸通りが多いので好きです。
今回は、そんな那智の滝を守るための活動が始まるとのことで、記事にしてみました。
那智の滝とは?
まずは場所からご紹介します。
場所
アクセスは、JR紀勢本線の紀伊勝浦駅から熊野交通バスに乗ります。那智山バス停まで約30分です。タクシーでは駅から20分ほどです。駐車場は30台駐車可能です。その際、神社防災道路通行料として800円が必要です。
那智の滝の概要
那智滝とも書きます。
落ち口の幅が13m、落差133mの滝で、一段(段がわかれていない)の滝としては日本一の落差です。那智の滝、華厳滝、袋田の滝の3つを合わせて、日本三大名瀑と呼びます。
「那智大滝(なちのおおたき)」として、1972年に国の名勝に指定されています。また、ユネスコの世界遺産である紀伊山地の霊場と参詣道の一部でもあります。
那智山中の那智原生林には多くの滝があります。そのうちの48の滝(那智四十八滝)が瀧篭修行の行場として使われていました。元々はこの四十八滝の総称が「那智の滝」でした。現在では、一般的に、那智四十八滝の一の滝が那智の滝として扱われています。
那智の滝と信仰
那智山一帯というのは、滝に対する自然信仰の聖地です。そして、一の滝は飛瀧(ひろう)神社のご神体です。
飛瀧神社は熊野那智大社の別宮です。本殿や拝殿はなく、直接滝を拝みます。
実際に滝を見ていただくと、ご神体とした理由がお分かり頂けるかと思います。素晴らしい滝です。
那智の滝に何が起こっているのか?
那智山の原生林の破壊は、明治8年に廃仏毀釈のあおりを受け、山寺として青岸渡寺が保有していた山林が国有化されたことに端を発している。以後さまざまに分割される過程で伐採と植林が進められ、現在では約780ha(国、明治神宮、民間林業会社の3者が保有)のうち、原生林として残っているのが1割弱となっている。
自身も那智山に滞在し粘菌研究などを行った生物学者・南方熊楠は「那智山濫伐事件」として伐採を批判し、将来的には「滝は涸れ、山は崩れ、遂に禿山となり、地のものが住めぬこととなる」(「南方二書」)と憂いていた。
実際に、平成23年の紀伊半島大水害の際には、林道沿いの大部分で土砂崩れが発生したほか、滝の渇水や濁水の問題も指摘されている。那智山区の高木喜三区長によると「昔と比べると明らかに山の水が枯れてきており、山水を使っている区民の生活水にも困るような状況になるかもしれない」と危機感を示している。(紀南新聞ONLINEより引用))
那智山の環境が破壊されていったことにより、水の濁りや水量の減少が起こっているというのです。
こういった事態に対応するため、取り組みが行われてきました。
対策
那智の滝源流水資源保全事業基金
那智の滝がある那智勝浦町では、2001年に「那智の滝源流水資源保全事業基金」というものを設置しています。現在の基金残高は3億円を超えているとのことです。
委員会の設置
2018年9月13日に、那智の滝の源流域の水源涵養(かんよう)機能の向上などに取り組もうという委員会設置のための条例案が可決されました。
※水源涵養とは
森林の土壌が、降水を貯留し、河川へ流れ込む水の量を平準化して洪水を緩和するとともに、川の流量を安定させる機能を持っています。また、雨水が森林土壌を通過することにより、水質が浄化されます。
(http://www.rinya.maff.go.jp/j/keikaku/tamenteki/con_2_4.htmlより引用)
そして、2019年2月5日に専門家や行政関係者でつくった委員会を設置し、初会合を開きました。今後は、那智の滝源流水資源保全事業基金を活用して、森づくりや町づくりを行う予定です。
環境の問題としても重要ですが、やはり信仰の場でもありますので、歴史ある進行を守るために活動を進めていただきたいです。
対策
那智の滝は信仰の中心であるとともに、日本三大名瀑に数えられるなど、素晴らしい自然がある
しかし、環境破壊によって水量の減少が起こっている
那智勝浦町は那智の滝を守るための委員会を設置、今後の活動に期待したい
大事な故郷なので、手伝えることがあるなら微力でも協力したいです😣
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