あの恐ろしい災害が起こってから8年という月日が経とうとしています。
段々と人々の記憶から薄れつつある中、今も5万人以上が避難生活を余儀なくされており、今一度被災者の方々のことを考える必要があると思わされます。
以前も記事で紹介したかっぴーさんの描く原作版「左ききのエレン」。その番外編が無料で公開されているので、ご紹介します。
原作版左ききのエレン番外編「広告代理店の再開」
エレンやかっぴーさんのことについてはこちら↓を読んでください。
この番外編「広告代理店の再開」は2018年3月11日にcakes上で第1話が公開されました。そしてその1年後の2019年3月11日に最終話である第6話が公開されました。
現在この「広告代理店の再開」は無料公開されていますので、ぜひご一読いただきたいです!1週間限定なので急いで!
原作版 #左ききのエレン 震災編、最終回を更新しました。
そして、物語が大きく動く回です。
1週間限定で、1〜5も無料公開にしてます。左ききのエレン番外編「広告代理店の再開」6https://t.co/lsGXT7pOVh
— かっぴー(左ききのエレン⑦発売中! (@nora_ito) 2019年3月11日
東日本大震災と左ききのエレン
作者のかっぴーさんは、自身も広告代理店に勤めていたことがあります。なので広告業界に対する思い入れがあります。
かっぴーさんいわく、左ききのエレンを描き始めたきっかけは「五輪ロゴ問題」であるとのことです。
五輪ロゴ問題とは、2020年東京オリンピックに向けた公式エンブレムを佐野研二郎氏がデザインしたものの、それが盗用ではないかと物議をかもしたものです。それに伴って、他の問題も浮上しました。
かっぴーさんは語ります。
あの事件が起きて、クリエイターは本当に元気がなくなった。「日本のデザインは終わった」って、絶望させられていたんですよね。 それをどうにか元気にしたいと思ったのがきっかけで、「左ききのエレン」の構想が始まったんです。
(中略)
2010年12月の皆既月食の日を舞台に、エレンの第一部は終わります。それから3カ月後の3月11日に「震災」が起きて、日本は大きく変わりました。その後少しして元気が戻ってきたところで、今度は「五輪ロゴ問題」が起きた。
(中略)
震災と五輪ロゴによって落ち込んだクリエイターたちを、何らかの方法で元気づけたかったんです。
(https://cakes.mu/posts/17893より引用)
五輪ロゴ問題もありましたが、もう一つ、かっぴーさんの胸には東日本大震災への思いがありました。
クリエイターたちを元気づけたかったという思いは、確実に「広告代理店の再開」に盛り込まれています。
光一の言葉に胸を打たれる
ここからネタバレを含みます!未読の人は後で読んでください😅
2011年3月11日、主人公光一たちの周りも震災の影響で広告の自粛などで奔走します。
そんな中、後輩で元チームの三橋由利奈(みっちゃん)が会社に出勤しなくなります。彼女の出身は福島県です。光一も電話をかけますが、何度かけてもみっちゃんは出ませんでした。
ある日、みっちゃんは出勤してきます。しかも光一がいそうな会社裏口の喫煙所に。みっちゃんは自分の思いを涙しながら語り、「私は…私の事しか考えてなかった…!!」と無力さを噛み締めます。
光一はそれに対して自分の思いを語ります。自分だって自分の事しか考えていないこと、完璧なんて無理で普通はそんなものだということ、自分の仕事は世界を救わないこと…
ただ、光一は「だけどさ、みっちゃん」と切り出し
オレ達は無力じゃない
微力だけど無力じゃない
と言います。
私はこの言葉に胸を打たれました。微力だけど自分にも何かできることがあるのかなと。
そんな思いでこの記事を書きました。
光一の言葉に胸を打たれる
クリエイターだけでなく、かっぴーさんの作品はいろんな人を元気づけていると思います。
「広告代理店の再開」は無料公開中です。かっぴーさんの思いをぜひ読んでみてください。
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