寒さが増してきてますね…
心不全とは?原因や症状も解説!
理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、視能訓練士と、リハビリをする職業についていくつか説明しましたが、私たちも当然、病気の知識というのが必要になります。
自分の再学習だと思って、今日は心不全について書いていきます。
心臓の位置や大きさ
まず、心臓がどのような役割を持っているのかを説明しておきます。
心臓は左胸のあたりにあると思っている方が多いのですが、実際は胸のほぼ中央(やや左寄り)にあります。
大きさは握りこぶし程度で、重さは成人で約200~300gです。
心臓には、右心房、右心室、左心房、左心室という4つの部屋があります。
心臓の役割
心臓は、全身に血液を送るポンプ機能を持った臓器です。加えて、血液を受け取る器官でもあります。
また、血液には酸素が含まれていますので、その酸素を各器官に送るという役割も持っています。
上の図のように血液は流れていきます。簡単に解説します。
末梢の静脈からの血液は最終的に上大静脈と下大静脈というところに集まってきます。
その血液は右心房に入り、右心室へと送られます。
右心室からは肺動脈という血管を通り、血液は肺へ送られます。ここで血液は二酸化炭素を離し、酸素を受け取ります。
酸素を受け取った血液は、肺静脈を通って左心房へと流れます。そして、左心室へ入り、左心室の収縮によって血液が大動脈へ押し出され、全身に血液がめぐっていきます。
心不全の定義
では心不全とはなんなのでしょうか?
なんらかの心臓機能障害、すなわち、心臓に器質的および/あるいは機能的異常が生じて
心ポンプ機能の代償機転が破綻した結果、呼吸困難・倦怠感や浮腫が出現し、
それに伴い運動耐容能が低下する臨床症候群。
[急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版)より]
という風に定義されています。しかし、これだと小難しくてわかりづらいですよね。実際、心不全の怖さについてはあまり知られていないという現状があります。加えて、心不全は患者数が増加しています。
そこで、国民によりわかりやすく理解してもらうために、一般向けの定義が発表されました。
心不全とは、心臓が悪いために、息切れやむくみが起こり、だんだん悪くなり、
生命を縮める病気です。
[急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版)より]
心不全の定義
最近では俳優の大杉漣さんが急性心不全で亡くなり、ニュースになっていました。
大好きな俳優さんだったので、私も非常にショックでした。
さて、この死因に使用された「急性心不全」という言葉、実は病気の名前ではありません。
心不全とは、あくまで心臓が悪くなっている状態を表す言葉なのです。
心不全の原因
原因には様々なものがあります。
心筋梗塞や心筋症のように、心臓自体が悪くなることによって起こったり、弁膜症や高血圧によって心臓に負担がかかる状態が長期にわたることで起こったりします。
その他不整脈や内分泌疾患など、原因になるものは様々です。
心不全の症状
心不全の症状は、心臓が収縮する機能、すなわち血液を送り出すポンプ機能の低下によって起こる症状と、拡張機能の低下によって、血液が心臓に戻らずに、身体に溜まった状態(うっ滞)になってしまうことで起こる症状があります。
①ポンプ機能の低下によって起こる症状
この場合、全身に血液がいきわたりません。つまり、酸素もいきわたらないので、以下のような症状が起こります。
・疲労感(疲れやすい)
・冷感
・不眠
また、状態が悪くなっていくと息苦しさで寝ることが難しくなります。この場合、座ると楽になりますが、この「起座呼吸」の徴候が出ると、即入院、治療が必要です。
②拡張機能の低下によって起こる症状
血液がうっ滞することで、以下のような症状が起こります。
・息切れ、呼吸困難
・むくみ(浮腫)
まとめ
心不全とは、心臓が悪くなっている状態です。症状としては息切れやむくみが起こります。
これから寒くなる時期、心不全が悪化する危険も増します。心筋梗塞なども起こりやすくなります。
なにか症状がある、心配だと思っている方がいましたら、お近くの病院を受診してください。
大事にしてあげたいですね。
少しでもみなさんに知ってもらえたらうれしいです。
またいろいろと詳しい説明もしていけたらいいなと思います。
それではまた明日!